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人生の意味を問い直すために…,

トータルな戦略に組み込まれた営みとしての芸術活動が,ある場合には美術と呼ばれる.

…,特定のアプローチがその時々においてもっとも良く機能する場合に限り,作品は高いクオリティを露わにしうる.アプローチそのものに向けられる心的エネルギーの比重が増すほどに,たとえそのことが結果的にハイクオリティな造形術の発展に繋がるとしても,芸術的主軸から一定度の距離を置かざるをえなくなるので,必然的に芸術機能は低水準に留まる…確かに,そこにある種の技術的成果などによって新たな可能性の進展の萌芽が生じうることについては認めなければならない.けれどもそれはほとんどのケースにおいて次に来る芸術体験的可能性というよりは実務的なテクニカルな問題に属していて,そして実際上,技術が無差別に芸術体験に寄与するわけでもないことには注意が必要だろう.
日常的に繰り広げられる労働が,たとえ10年の歳月の中でこれに携わる者に大きな力を与えたとしても必ずしもそのことがその者の芸術体験の質を高めてはくれないように,あるいは芸術作品であれば何でも人生の戦略に適う訳ではないように,ひとりの人間にとって意義あることは事例ごとにまったく異なっていることを無視してアートは何ら力を持ちえない.